カストラートとは去勢された男性歌手のことで、音域はソプラノ〜アルト。古くから存在したとされるが、12世紀スペインにおいて教会音楽の歌手として起用されるようになる。
17世紀〜18世紀がカストラートの最盛期。ヨーロッパ中で人気となるが、フランスのみカストラートは不評。
代表的なカストラートとしては、セネジーノ・カッファレッリ・カレスティー二・パッキエロッティ・ファリネッリなどが挙げられる。
カストラートとは去勢された男声歌手のことで、幅広い音域と十分な声量を兼ね備えていたと言われている。
16世紀中頃のイタリアにおいて、声のよいボーイソプラノに去勢手術を施し、高い声を成人しても保った歌手を『製造』することが流行した。 その背景には、『女声は教会で沈黙せよ』という言葉のひとつの解釈として、教会で女性が歌うことは禁止されたことがある。 教会において、カストラートは礼拝音楽の高音域を担当するようになる。17世紀のイタリアではほぼ全ての聖歌隊にカストラートが所属するようになるなど、教会音楽においてカストラートが重宝されるようになった。
17世紀から18世紀にかけて、オペラにカストラートが起用されて大人気となる。 この時代はテノール・ソプラノ・バスなどのパートは、カストラートの影に隠れてあまり重要視されなかったようである。
18世紀、『メスタージオの台本改革』によってカストラートはオペラセリアで中心的な役割を担うようになる。しかし、後の『グルックのオペラ改革』によりカストラートは次第に衰退していく。
19世紀になると、カストラートのために書かれるオペラは稀になる ⇒フランス軍(ナポレオン)の影響
カストラートの衰退とともにソプラノ・メゾ・アルト・テノール・バスなどにオペラの主役が移っていく。また、バリトンのような新しい声も生まれた。